コラム:日本の産業廃棄物問題:令和5年度の不法投棄と不適正処理の現状とは?
2024/12/19
日本の産業廃棄物問題:令和5年度の不法投棄と不適正処理の現状とは?
環境問題への意識が高まる中、産業廃棄物の適正な処理が社会的に重要視されています。しかし、依然として不法投棄や不適正処理の事例は後を絶ちません。令和5年度のデータを基に、最新の状況をご紹介します。
不法投棄の現状
令和5年度に新たに発覚した不法投棄事案は次の通りです。
- 件数:100件(前年度比 -34件)
- 投棄量:4.2万トン(前年度比 -0.7万トン)
不法投棄の件数や投棄量は減少傾向にありますが、それでも年間100件という新規事案が発生している現状は見逃せません。
不適正処理の実態
一方で、不適正処理事案は増加傾向にあります。
- 件数:121件(前年度比 +14件)
- 処理量:5.0万トン(前年度比 +2.4万トン)
適切な処理が行われていない廃棄物が環境に与える影響は計り知れません。この増加傾向は社会全体で対応を考えるべき課題と言えます。
残存する不法投棄事案
さらに、年度末時点での残存事案にも注目が必要です。
- 件数:2,876件(前年度比 +21件)
- 残存量:1,011.2万トン(前年度比 -2.3万トン)
このデータは、過去の不法投棄がいまだに未解決であることを示しています。対応には長期的な取り組みが求められています。
環境省の取り組み
環境省では、都道府県や政令市と連携し、以下の対策を進めています。
監視活動の強化
不法投棄の未然防止を目的に、現場の監視を徹底しています。専門家の派遣
廃棄物問題の早期対応を実現するために専門知識を持つスタッフを投入。広報活動
産業廃棄物処理の適正化を呼びかける啓発活動を展開。
不法投棄を防ぐために私たちができること
企業だけでなく、個人レベルでも不法投棄を防ぐ取り組みが可能です。
- 産業廃棄物の適正処理に協力する
- 不法投棄を見かけた際は速やかに通報する
- 廃棄物処理に関する知識を深める
まとめ
産業廃棄物問題の解決は、持続可能な社会の実現に直結します。環境省が発表したデータをきっかけに、私たち一人ひとりが意識を変え、行動することが求められています。環境問題に関する最新情報は、環境省の公式サイトで確認できます。ぜひご覧ください。