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コラム:世界気象機関の最新予測~2024年末にかけてラニーニャ現象が60%の確率で発生
2024/09/27

コラム:世界気象機関の最新予測~2024年末にかけてラニーニャ現象が60%の確率で発生


世界気象機関(WMO)は、2024年末にかけてラニーニャ現象が60%の確率で発生する可能性があると発表しました。

WMOの長期予報センターによる最新の予測によると、2024年9月から11月の期間にかけて現在の中立的な気象条件(エルニーニョでもラニーニャでもない状態)がラニーニャ現象に移行する可能性が55%とされています。
この確率は10月から2025年2月にかけて60%に上昇し、この期間中に再びエルニーニョが発生する可能性は極めて低いと予想されています。

ラニーニャ現象とは?

ラニーニャ現象は、中部および東部赤道太平洋における海面水温の大規模な冷却と、それに伴う熱帯大気循環の変化(風、気圧、降雨など)によって引き起こされる現象です。ラニーニャの影響は、その強さ、期間、発生時期、他の気候要因との相互作用によって異なりますが、一般的にラニーニャはエルニーニョとは逆の気候影響をもたらし、特に熱帯地域でその影響が顕著です。

人為的気候変動の影響

ラニーニャやエルニーニョといった自然発生の気候現象は、現在進行中の人為的な気候変動の中で発生しています。気候変動は地球全体の気温上昇を促進し、極端な天候や季節ごとの降雨・気温パターンにも影響を与えています。

WMOの事務総長であるセレステ・サウロ氏は次のように指摘しています。「2023年6月以降、陸地および海面水温の異常な上昇が続いています。たとえ短期的にラニーニャ現象が発生したとしても、大気中の温室効果ガスによる長期的な地球温暖化の傾向を変えることはできません。」

過去9年間は、2020年から2023年初頭にかけて続いたラニーニャ現象による冷却効果があったにもかかわらず、観測史上最も暑い期間として記録されました。2023年から2024年にかけて発生したエルニーニョ現象は2023年6月に始まり、2024年1月にピークを迎えましたが、これまでの5つの最も強いエルニーニョ現象の一つとして記録されています。

今後の気象動向に注目

過去3ヶ月間、気候は中立的な状態が続いていますが、それにもかかわらず、極端な気象現象が頻発しており、特に猛暑や大雨による被害が目立っています。このため、WMOは「早期警報システム」の重要性を強調しており、特にエルニーニョやラニーニャの季節予報が早期行動のための重要なツールとなっています。

まとめ

世界の気象変動は、ラニーニャ現象やエルニーニョ現象の発生とともに、その影響がより一層顕著になっています。これらの自然現象は、気候変動の進行を示す一つの要因であり、今後の気象予測に注目することが、私たちの生活における災害対策や対応において重要です。