その他

お知らせNEWS


コラム:太平洋諸島フォーラムで気候変動の危機を再確認 国連事務総長が指摘
2024/08/29

太平洋諸島フォーラムで気候変動の危機を再確認 国連事務総長が指摘


国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、27日にトンガで開催された太平洋諸島フォーラムで、気候変動が太平洋諸島諸国に及ぼす深刻な影響について再度警鐘を鳴らしました。同氏は、特に海面上昇がこれらの小さな島国を直撃していることを強調し、国際社会が直ちに行動を取る必要があると訴えました。

「気候変動は、太平洋の島々にとって生存の危機です。これらの国々は気候変動を引き起こすことには何の責任もないにもかかわらず、その影響を最も強く受けています」とグテーレス事務総長は演説で語り、気候変動の主な原因となっている国々や企業に対し、より積極的な排出削減を求めました。

今回のフォーラムでは、太平洋の島国が直面する三重苦、すなわち海面上昇、海洋温暖化、海洋酸性化についての詳細な報告が発表されました。これにより、地域全体がますます脅威にさらされていることが明らかになりました。

「緊急な対応が必要」

グテーレス事務総長は、「海面上昇が進行する中で、私たち全員がその影響を受けることになる」と警告しました。同時に、特にオーストラリアやニュージーランドといった先進国が、太平洋諸国に対する支援を強化するべきだと指摘しました。
「気候変動に対する不平等が、この地域の未来を脅かしています」と述べ、途上国向けの国際金融システムの改革が急務であると強調しました。

フォーラムの開催期間中、現地は大雨に見舞われ、またマグニチュード6.9の地震が発生するなど、自然災害のリスクが改めて浮き彫りになりました。これに対して、地元の住民やフォーラムに参加したリーダーたちは、気候変動に対する脆弱性を実感し、これまで以上に強い対策の必要性を再認識することとなりました。

島国の闘いは続く

フォーラムの一環として行われたパレードでは、「私たちは溺れるのではない、立ち向かうのだ」という力強いメッセージが掲げられ、地域住民の気候変動に対する闘志が表現されました。グテーレス事務総長は、「これらのコミュニティが示す回復力と希望は、世界が見習うべきものだ」と述べ、太平洋の島国が気候変動に対してどのように対処しているかを国際社会が理解し、支援する必要があると結びました。

【関連リンク:海面上昇が「私たち全員を襲う」 国連総長が太平洋諸島フォーラムで警告