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コラム:廃棄ホタテ貝殻を利用して砂使用量を半減させた「テトラポッド」を開発 - 清水建設など
2024/07/31

環境廃棄物関連で今話題のニュースです。
清水建設は7月19日、TBWA HAKUHODO(同・港区)など7つの団体と協力し、水産廃棄物であるホタテ貝殻を再利用した環境に優しいテトラポッド「HOTATETRAPOD」を共同開発したと発表しました。

このプロジェクトには、北海道猿払村、猿払村漁業協同組合、ササキ、甲子化学工業、不動テトラ、が参加しています。

◼︎プロジェクトの目的

本プロジェクトは、廃棄ホタテ貝殻を砂の代替資源として活用し、サステナブルな建設技術の推進を目指しています。


◼︎環境に配慮したテトラポッド

砂の代わりに猿払村のホタテ貝殻を粉砕したシェルサンドを使用することで、砂の消費量を50%削減することを目指しています。このテトラポッドが実用化されると、猿払村だけでも年間431トンの砂の使用が減少します。

また、このテトラポッドは、生物模倣(バイオミミクリー)の考えに基づいてデザインされており、ホタテ貝殻から着想を得たリブ構造を採用しています。この構造により海藻が付きやすく、魚介類の餌場を提供し、海中の炭素を吸収するブルーカーボンの増大にもつながります。


出所:清水建設

◼︎ホタテ貝殻の再利用で海岸保護

コンクリートの製造や住宅、道路、インフラ整備などで使用される砂は、経済発展に不可欠な資源です。しかし、都市化や気候変動の影響で、世界では年間約500億トンもの砂が消費されており、砂不足は深刻な問題となっています。

このプロジェクトでは、不動テトラ、日本国土開発、甲子化学工業の技術と知識を活かして、砂不足問題の解決を目指しました。猿払村はホタテの主要な生産地であり、毎年約4万トンの貝殻が廃棄されています。この貝殻の主成分である炭酸カルシウムはコンクリートと相性が良く、砂の代わりに利用することで新たな資源として再生できます。

なお、「テトラポッド」は、不動テトラが商標を登録しています。


◼︎今後の展開

「第50回さるふつ観光まつり」で初披露された後、猿払村に記念碑として設置される予定です。
また、オホーツク地方の海岸への設置も計画されています。