コラム:地球環境を考えた素材「サスティナブル建材」をご紹介!
2023/09/26
私たちの暮らしに欠かせない建築物。街中では住宅やビルなど、様々な建設現場が見受けられます。住宅やオフィスビルなどの建設には、建材が必要不可欠ですが、SDGsの広がりと共に地球環境を考えた素材が登場し、選ばれるようになっています。
今回は、アップサイクルやリユース・リサイクルが可能など、環境に配慮した建材「サスティナブル建材」を取り上げていきます。
サスティナブル建材とは?
サスティナブル建材とは、ライフサイクルの長い材料や再生可能な原料を使用していたり、アップサイクルしてできたものだったりと、地球環境への配慮を重視した建築資材のことを指します。温暖化や大気汚染、水質汚染、自然・天然資源への配慮など、地球環境へ考慮して作られています。
環境に優しい素材やリサイクル・リユースが可能、省エネルギー性が高い、長寿命でメンテナンス性に優れたものなど、さまざまな特徴があります。
サスティナブル建材の例は?
ここではサスティナブル建材の一部をご紹介します。
◼︎外壁材
・SOLIDO typeF facade【ケイミュー】
セメントと高温・高圧蒸気中で反応させるケイ酸質原料には、石炭火力発電所から排出される石炭灰(フライアッシュ)を採用。補強繊維として、紙にリサイクルできない古紙をパルプ化して使用しています。工事現場で回収した外壁廃材や工場内で発生した端材なども原材料としています。分別回収を見据えて、施工時には金具が使用されるそう。
◼︎内装材
・PANECO®【ワークスタジオ】
布や合成皮革などさまざまな廃棄衣類繊維をアップサイクルしてできた環境配慮型素材。木質繊維板のように硬度があり、かつ加工しやすいためディスプレイ什器や家具など、多様な目的に使用することができます。また、使用後に回収し、再びボードとしてリサイクルすることも可能です。
※参考:パネコ
・SOLIDO type F Coffee【ケイミュー】
塗装による着色を行っていない、セメント系窯業系内装材。原材料は火力発電所で発生する石炭灰のほか、コーヒーショップから出る使用済み紙カップやコーヒー豆かすなど様々な廃棄物を配合。原料に占める再生材料比率は約60%とのこと。表面はセメント素地を露出させつつ、コーヒー豆かすが見える状態にしています。これにより無機質なセメント素地に自然なムラによる風合いが出て、一枚一枚異なる仕上がりとなっています。
◼︎壁材
・デニムストーン【beero】
デニムをはじめ、スーツやセーターなどの衣類をアップサイクルした建材。活用しているのは、衣類の製造工程で、製造されれば製造されるほど排出される端材です。 衣類の端材を綿に戻し、樹脂で固めて作られます。素材の特性上、面積の広さに関わらずシームレスに製造ができるという。また、床材としても使用可能。
◼︎床材
・サステナブルフロアー™【パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社】
床材1坪当たり、約38kgの炭素を貯蔵(CO2換算)し、スギの木約18本分のCO2削減に貢献できます。基材(サステナブルボード)の原料には、住宅の解体廃材や未利用材といったリサイクル木材を採用しています。また、表面材の塗装には、再生可能な植物油脂由来のバイオマス塗料を採用している、エシカルな木質床材です。
・ラシッサ Sフロア、ラシッサ Dフロア【LIXIL】
循環利用が可能な国産針葉樹を基板に採用したフローリング。国内の森林の半分は、使用サイクルを考えて育てられている人工林が占めており、国産材を使用することで森林保全につなげています。また、表面の仕上げ材は高い抗菌性能を発揮するため、環境にも人にも優しい建材と言えます。
◼︎断熱材
・STEICO(シュタイコ)【STEICO、イケダコーポレーション(販売)】
STEICOは、針葉樹の端材を原料とした木繊維断熱材で、ドイツで「未来の断熱材」と呼ばれています。FSC、PEFC認証の木材だけを使用し、製造過程では接着剤や有害な化学物質は用いていません。STEICOの最たる特徴と言えるのは、その高い断熱性。熱容量が高く、かつ熱伝導率が非常に低いため、外気温が35℃の時であれば室温を約20℃まで抑えることが可能。さらに透湿性も高いため蒸し暑い夏や梅雨でも、室内を最適な湿度に調整することができます。
◼︎塗料
・オスモカラー【オスモ&エーデル】
ひまわり油や大豆油などの植物油と植物ワックスをベースにした自然塗料です。原材料には、ひまわり油や大豆油、アザミ油、カルナバワックス、カンデリラワックスを用いて、ペンキに使われている合成樹脂が入っていないそう。フローリングをはじめ、家具や壁、天井、ドア、外のウッドデッキや壁・フェンスなど、内装外装から家具などにも使用できます。
・ソイルペイントHiLaRi
粘土を主材料とし、陶土や石灰等を独自の混合比でブレンドした、天然の資源のみで作られた水性の塗料です。天然の土・鉱物をブレンドしていることで、脱臭性に優れ生活臭などを分解除去してくれます。さらに、空気中の水分を吸放湿する調湿性も高く、粘土が空気中のほこりも吸着するため快適な空間を創出。
天然の顔料を使用しているため発色もよく、土ならではの柔らかみのあるマットな質感を楽しむことができます。カラーは185種類と豊富なカラーバリエーションが揃っています。
◼︎デッキ材
・アースデッキDWプラス【エービーシー商会】
木質系廃材と廃プラスチックを混合し、押出成型したリサイクル人工木デッキ材です。使用後にも再度リサイクルして利用できる、環境に優しい素材となっています。天然木デッキ材と比べ経年による変色が少なく、ささくれの発生もないためメンテナンス性に優れています。また、日差しによるデッキスペースの表面温度上昇を約8〜10℃抑制する遮熱機能と、静電気の発生を抑える帯電抑制機能が付与されているため、多様な人が使用する安全性が求められる施設に適すと言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は、アップサイクルやリユースなど環境に配慮した「サスティナブル建材」をご紹介してきました。
2015年にSDGsが国連サミットで採択され、企業は環境や社会、経済に配慮したサスティナブルな経営を求められています。オフィス等にサスティナブル建材を使用したりなど、サスティナブルな取り組みを行うことは、企業イメージの向上やブランディングにつながります。
企業のサステナブルな活動はSDGs、CSRやESGとともに今後さらに注目されることになります。サスティナブル経営・SDGs取り組みなどについて、お困り、疑問がある方は、FCBホールディングまでお問い合わせください!