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コラム:人気集まる、冷凍食品の自動販売機「ど冷えもん」とは?
2022/10/28
新型コロナウイルス感染症拡大により、生活様式は大きく様変わりしました。あらゆる業界が影響を受けましたが、中でも飲食業界は未だ厳しい状況が続いています。こうした状況下で新たな食品提供スタイルとして、ECサイトや冷凍自販機を使い、冷凍商品を販売する飲食店が次々と増えています。

その中で、冷凍商品の販売を大きく広げるきっかけとなり注目を浴びたのが、冷凍商品の自動販売機「ど冷えもん」。今回はこの「ど冷えもん」を取り上げます。



「ど冷えもん」とは?

2021年1月の発売後、大ヒットとなった「ど冷えもん」。開発・発売したのは、世界の飲料自動販売機市場でトップクラスのシェアを持つサンデン・リテールシステムです。 

「ど冷えもん」は国内で最初の冷凍自販機であり、2021年2月に都内の餃子販売店に設置されました。さまざまな容器の形状に対応でき、幅広い商品を販売できる点が特徴。大手企業から個人経営の飲食店まで幅広く、そして急速に広まり、卸や生産者などでの導入も進んでいます。

冷凍・冷蔵の切り替えも可能な「ど冷えもんNEO」、薄型化して新たに広告スペースを設けた「ど冷えもんSLIM」とラインアップも次々に拡大しています。2022年10月には第5弾となる「ど冷えもんWIDE」を発売。「ど冷えもんWIDE」は、大きな商品を中心に多品種の販売をしたいという要望に応えるため従来より幅を300mm大きくし、搭載メニュー数を11種類から15種類まで拡大した業界史上最大サイズの冷凍食品自動販売機です。


ど冷えもんの特長は?

大ヒットしている「ど冷えもん」には、どんな特長があるのでしょうか?


■大容量&対応力抜群で様々な商品が販売可能
      ど冷えもんは様々な商品サイズに対応したストッカーを自由に組み合わせることができます。これにより、従来は販売が難しかった、大型の冷凍食品を含め大きさの異なる商品を販売が可能です。

      また、これまで冷凍食品の自動販売機といえばアイスクリームがほとんどでしたが、ど冷えもんでは。餃子やラーメン、ピザ、肉、和菓子、洋菓子、弁当など多種多様な商品を販売できます。




      ■無人化・省人化でコスト削減が可能
        非対面・非接触での販売に対応した自動販売機にすることで、無人化・省人化しての商品の販売が可能に。これにより、人件コストを大きく削減することができるうえ、冷凍だから食品ロスを少なくすることができます。


        ■スマホ感覚で操作可能&キャッシュレス対応のタッチパネル
          販売時は購入画面として、設定を行う際は販売機の様々な設定を行える管理画面として使用できるタッチパネルは、スマホ感覚で簡単に操作が可能。液晶タッチパネルは操作ができるだけでなく、オプションで電子マネーやQRコード決済などのキャッシュレス販売にも対応できます。キャッシュレス対応にすることでオペレーションコストやリスクの低減、販売向上につなげられます。



          ■24時間365日販売が可能
            24時間365日販売可能であるため、深夜早朝の閉店時でも売り上げを担保。商品補充はバイトでも行うことができます。店舗の営業時間終了後も、消費者のニーズに合わせて商品を販売できるため、売り上げ確保のおか集客効果にもつなげられます。



            ■屋外に対応した防水・防塵仕様
              防水・防じん仕様で、家庭用の100V電源があれば屋内外での設置に対応しています。スペースさえあれば複合商業施設の通路や飲食店の店頭、駅構内、コインパーキングの脇など、どこにでも設置できます。




              ど冷えもんの導入例は?

              次々と展開を広げる「ど冷えもん」。では、その導入例を見ていきましょう。


              ■リンガーハット
                長崎ちゃんぽん店を展開する大手外食チェーンのリンガーハットは、ちゃんぽんや皿うどん、餃子、チャーハンなどの冷凍食品を販売する自販機を店舗に設置。昨年6月から全国の店舗外や工場前などに設置して自社ブランドの冷食のテスト販売を始め、今年8月末で設置箇所は55店にまで拡大しています。

                リンガーハットは、2012年から冷凍食品の販売を開始しています。コロナ禍を契機に冷凍食品の売上を大きく伸ばし、今では新たな売上の一つとなっているそう。


                ■松屋フーズホールディングス
                  牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズホールディングスは、昨年11月に同社初の冷凍自動販売機「ど冷えもん」を東京都江東区の店舗に設置しました。今年2月にはさらに、都内2店舗に設置。取扱商品は、レンジかお湯で温めるだけで食べられる「米国産牛めしの具」「オリジナルカレー」「牛めしバーガー」「ロースかつ」など、オンラインショップで人気の商品を取り揃えます。


                  ■自販機ショップ「PiPPon!(ピッポン)」
                    内装工事のDプランが昨年12月、ど冷えもんを9台並べた自販機ショップ 自動販売機セレクトショップ「PiPPon!」を同品川区にオープンしました。 フラワーショップ跡を利用し、9台の自動販売機を設置。販売している商品はキャビアや宮崎牛、韓国惣菜、冷凍小籠包、茶葉などバラエティー豊富です。

                    「ど冷えもん」の販売代理店で中食サービスを手掛ける企業から一部商品の紹介を受け、セレクトショップとして運営している形。このように、「ど冷えもん」を活用して、冷凍食品販売の新規事業を展開する異業種企業も登場しています。


                    他にも、自社広告も兼ね駅構内に設置したり、コロナ禍に撤退した店舗の跡地や、シャッター通りになりつつある商店街などの空きスペースに置いて、新たな売り上げ確保を狙う企業も登場しています。



                    コロナ禍で高まった”中食”需要

                    2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大したことを受け、外出・外食が控えられるようになりました。緊急事態宣言等で飲食店の営業時間短縮、テレワーク人口の急増によりランチ・会食需要の低下なども受け、外食産業は大きなダメージを受けました。

                    一方で、中食産業はコロナ以前から成長を見せていましたが、コロナ禍を契機に市場規模は大きな伸びを見せました。中食需要はその手軽さから、利便性を重視する単身・共働き世帯の同課に伴い拡大傾向にありましたが、コロナ以降子育て世帯などにもニーズが広がりました。家族全体が在宅時間、家での食事の機会が増えたことで、主婦にかかる家事負担も増加した事による影響とみられます。

                    コロナ禍で、テイクアウトやデリバリーサービスが急速に拡大し、消費者も手軽さや美味しさを魅力に感じ利用が増えたことで、中食全体が大きく成長しました。また、中食の中でも冷凍食品の市場もコロナ前より伸び続けています。冷凍食品協会によれば、2021年の家庭用冷凍食品の国内生産額は前年比5.2%増となり、調査開始以来、過去最高額(3,919億円)に。2台目の冷凍庫を導入する家庭も増えており、今後も中食需要は高まっていくものとみられています。


                    広がる冷凍食品販売

                    外食企業が冷凍食品を販売する動きはコロナ以前からも見られていました。新型コロナウイルス感染症拡大後、自社商品を自店以外で販売する傾向が活発化しました。「ど冷えもん」の発売を契機に、冷凍商品の販売が本格的に広がるように。またこの頃から、高付加価値商品をそろえたECサイトや、冷凍商品のみを扱う専門店なども登場し始めました。

                    最近では、大手小売りのイオンが冷凍食品の新業態を立ち上げたほか、百貨店の松屋銀座が高級な冷凍食品をそろえた売場を新設するなど、冷凍食品の市場は盛り上がりを見せ続けています。





                    いかがでしたでしょうか?

                    今回は冷凍商品の自動販売機「ど冷えもん」を紹介してきました。

                    コロナ禍で生活様式は大きく変わり、特に食事事情は中食需要が高まり、テイクアウトやデリバリー市場が大きく伸長しました。また、手軽に食事ができることから冷凍食品のニーズも高まり、「ど冷えもん」の登場によりその市場は活発化し、現在は一つの食文化となったともいえるでしょう。

                    現在「ど冷えもん」での冷凍食品販売は、飲食業界だけではなく新規事業として異業種企業の参入も見られています。