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コラム:SDGsの「目標7」「目標11」とは?内容や取り組み例を紹介
2022/09/30
近年、「SDGs」というワードがよく聞かれるようになりました。

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に開催された国連の「持続可能な開発サミット」の2030アジェンダとして採択された文書に掲載された一連の目標を指します。17の大きな目標と169のターゲットから構成され、目標達成に向けて国や企業でさまざまな活動が取り組まれています。

今回は17の目標の中から「目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と「目標11:住み続けられるまちづくりを」について紹介します。



目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とは?

目標7は、「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的 エネルギーへのアクセスを確保する」のテーマのもと、5個のターゲットから構成されています。


■構成するターゲット

7.1:2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2:2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3:2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a:2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b:2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

★クリーンエネルギーとは?
太陽光発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電、海洋発電といった、再生可能で資源の枯渇しない持続可能な「再生可能エネルギー」のこと。



■目標7の目的

目標7は、すべての人が安価かつ安全で安心して使える、持続可能な近代的エネルギーを普及させ、地球上のエネルギー問題解決を目指しています。

世界では7億3300万人が電力を利用できておらず、国や地域によっては薪や石炭・動物の糞なを燃やして生活しています。(出典:国連広報センター ホームページ「SDGs報告 2022」)電気を使えないことにより、水汲みのために何時間もかけなければならないだけではなく、多くの人々が学習や事業の機会を失っています。さらに、薪や石炭、動物の糞などの燃料は空気を汚染し、人体に悪影響を及ぼすだけではなく、地球全体の環境汚染にも繋がってしまいます。

こうした背景から地球を守るために、クリーンエネルギーを世界中に行き渡らせることが必要です。



■ビジネスでの取組事例

企業で目標7に取り組むにはどういった方法があるのでしょうか?

・再生可能エネルギーの導入
目標7の達成には温室効果ガスを排出せず、資源の枯渇しない持続可能な「再生可能エネルギー」が重要です。電力会社が提供する再生可能エネルギー利用プランを活用することで、再生可能エネルギーの使用が実現できます。再生可能エネルギーを用いた発電事業や、設備の設計・施工・メンテナス事業などを立ち上げている企業も。

・省エネ技術の導入・促進
オフィスで、高効率空調やLED照明、遮熱シート、ハイブリッド給湯といった省エネできる技術を導入することで、二酸化炭素の排出量を削減できます。企業によっては省エネや創エネ・畜エネを活用した事業を立ち上げたり、省エネに関わるサービスや製品の開発・展開が進められています。

・節電
節電によって発電時の二酸化炭素排出を防ぐことができます。さらに、気候変動対策への貢献や、企業の光熱費削減を実現できます。普段使用する電気使用量を把握し、照明やエアコンなどが必要な時にのみ使用するように心がけることが重要です。

・リモートワークや公共交通機関・自転車の活用
出勤時に自家用車ではなく、公共交通機関や自転車を利用を推進しましょう。リモートワークの選択や、公共交通機関や自転車を活用により、二酸化炭素排出量の削減に繋がります。




目標11「住み続けられるまちづくりを」とは?

目標11は、「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」のテーマのもと、10個のターゲットから構成されています。


■構成するターゲット

11.1:2030年までに、すべての人々の、適切、安全かつ安価な住宅及び基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。
11.2:2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
11.3:2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11.4:世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
11.5:2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
11.6:2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。
11.7:2030年までに、女性、子ども、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。
11.a:各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。
11.b:2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
11.c:財政的及び技術的な支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資材を用いた、持続可能かつ強靱(レジリエント)な建造物の整備を支援する。



■目標11の目的

日本含め、世界的に都市の人口が増加しており、2050年には世界の総人口の3分の2が都市部に集中すると言われています。都市の人口増加により過密化が進むと、住宅不足や、交通渋滞による大気汚染、ごみ処理などなどのさまざまな問題を引き起こします。

さらに、今後は自然災害が過酷化していくと見込まれており、過去40年にわたり移住・避難をしなければならない自然災害の発生件数が増えています。多くの人口を抱える都市部では、災害時に多大な犠牲者が出てしまうことが懸念されます。

「強靱(レジリエント)」とは、壊れない強さではなく、災害等の衝撃を吸収し、いち早く元の状態に回復できる力のことを指します。持続可能な都市は、地震などの自然災害や、新型ウイルスの感染拡大などの社会危機が発生しても、すぐさま適応し、住みやすい居住環境へ復興することができます。すべての人が安全で快適に暮らし続けられるよう、気候変動や社会課題に適応した持続可能な都市を実現を目指しています。




■ビジネスでの取組事例

企業で目標11に取り組むにはどういった方法があるのでしょうか?

・緑地ベースをつくる
企業は、オフィスビルの屋上や壁、またオープンスペースなどを緑化することで、ヒートアイランド現象の抑制に貢献に繋げられます。さらに、社員のほか、訪者や地域住民が集い、憩う空間を提供することができます。

・スマートホームやスマートビルの建設
スマートホーム・スマートビルは、建物に関するデータを最新のインターネット技術を用いて管理・統合するシステムを用いた建物のこと。照明や空調システムなどの管理を自動化することで、効率的・効果的に管理できるようになりエネルギーのロスを最小限に抑えられ、消費電力やコスト、そして温室効果ガス削減が叶えられます。

・廃棄物の削減
ごみの削減・資源としての再活用は、都市の資源循環にとって重要です。ごみの削減・資源としての再活用は、廃棄物を処理する時だけではなく、回収・運搬する際の二酸化炭素排出、そして製品を作る時に出る二酸化炭素排出量を減らすことができます。廃棄物を適正処理し、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進が、循環型社会の実現に貢献します。


いかがでしたでしょうか?

今回はSDGsの目標の中でも「目標7」と「目標11」について着目してきました。


2015年にSDGsが国連サミットで採択され、「サスティナビリティ(=持続可能性)」が注目されれるようになり、企業は環境や社会、経済に配慮したサスティナブルな経営を求められています。サスティナブルな取り組みを行うことは、企業イメージが向上やブランディングにつながります。