コラム:【COP29報告】日本の衛星観測技術が世界の注目を集める|GOSAT-GWと気候変動対策の最前線
COP29バクー開催、日本の最新温室効果ガス観測技術を発信
2025年11月、アゼルバイジャン・バクーで開催された国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)にて、日本政府と関連機関が主催する「ジャパンパビリオンセミナー」が行われました。本セミナーでは、日本の最先端温室効果ガス観測衛星「GOSAT-GW」によるミッションや、観測データのビジネス活用について、多くの注目を集めました。

GOSAT-GWとは?|日本の観測技術が示す気候対策の可能性
GOSAT-GW(温室効果ガス・水循環観測技術衛星)は、気候変動対策に不可欠な温室効果ガスや水循環の観測を行う、日本の先進的な衛星です。今回のセミナーでは、GOSAT-GWの最新ミッションや、データを活用した官民連携の取り組みが紹介されました。
環境省、国立環境研究所(NIES)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)による主催のもと、各分野の専門家が講演を行い、立ち見が出るほどの盛況ぶりとなりました。
注目の講演・議論内容
◆GOSAT-GWと日本のGHGセンターの整備(谷本副領域長/NIES)
◆衛星観測と数値モデルによる排出量推定(JAMSTEC 金谷有剛氏)
◆CLEANイニシアティブとメタン排出削減(経産省 中真大氏)
◆カーボンクレジット生成への活用(Carbontribe Labs 矢野圭一郎氏)
◆リスクマネジメントにおける衛星画像技術の導入(損保ジャパン+Momentick)
◆サステナブル金融と宇宙データの融合(三菱UFJ+GHGSat)
セミナーではビジネス・金融領域での衛星データの活用にも焦点が当てられ、脱炭素に向けた実践的な技術革新の動向が共有されました。
地球情報デー(Earth Information Day 2024)にも参加
COP29の一環として行われた「Earth Information Day 2024」にも、日本の研究者が参加。WMO、NOAAなど国際的機関による最新の気候監視データ、温室効果ガスの観測体制、AI活用の最新技術が紹介され、気候変動におけるグローバルな観測ネットワークの重要性が再認識されました。
まとめ|日本の技術が国際社会と連携し、持続可能な未来へ
今回のCOP29では、日本の衛星観測技術が地球規模での温室効果ガス削減やサステナブルな社会の構築に貢献しうることが強調されました。特にGOSATシリーズは、政策立案や民間ビジネスの現場でも活用が進んでおり、今後の展開に期待が集まっています。