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コラム:【エコ旅行の新時代】帆船で大西洋を横断!TOWTが提供する低炭素な旅とは
2025/03/27
環境への配慮が求められる現代において、空の移動に代わる新たな選択肢として注目されているのが、帆船による「エコな大西洋横断の旅」。フランスのスタートアップ企業「TOWT(TransOceanic Wind Transport)」が推進するこのプロジェクトは、環境意識の高い旅行者から注目を集めています。



脱炭素社会に貢献する帆船の貨客ミックス航海

TOWTは、化石燃料を使わずに風の力で航行する貨物帆船の船団を建設中で、すでに2隻が実際に運航しています。2024年1月には、世界最大級の貨物帆船「アルテミス号」がフランス・ルアーブル港を出発し、32日間の航海を経てアメリカ・ニューヨーク港へ到着。約1,000トンのフランス産の貨物とともに、試験乗船した4名の乗客も無事に下船しました。

TOWTはこの実績をもとに、同社の貨物船を環境に配慮した旅を求める一般旅行者にも開放。通常の旅行とは異なる「低炭素で静かな海の旅」が可能となりました。

飛行機より圧倒的に低いCO2排出量

TOWTのCEOギヨーム・ルグラン氏によれば、同社の帆船を使った大西洋横断における1人あたりのCO2排出量はわずか5〜10kg程度。これは、同区間を飛行機で移動した場合に排出される約1トンのCO2と比較して、驚異的な削減率を誇ります。

また、TOWTの帆船は予備エンジンとしてディーゼルを搭載していますが、航行の大部分は風力を活用しており、従来の貨物船と比較して約90%のCO2削減が可能です。

船旅の魅力と乗船体験

乗船できるのは最大6室のダブルキャビンに泊まれる旅行者たち。7人の乗組員とともに、持続可能な航海体験を満喫できます。豪華なクルーズ船とは異なり、客室はシンプルな構造で、読書や日記、海洋観察、ヨガ、天文航法のワークショップなど、静かで心豊かな時間を過ごすことができるのが特徴です。

通信環境も整っており、高速ブロードバンドによるインターネット接続も完備。リモートワークをしながら航海を楽しむという新しいライフスタイルも実現可能です。

気になる料金と所要時間

現在の料金はフランスからニューヨークまでの片道が約2,550ユーロ(約40万円)で、1日あたり約150ユーロ。今後は1日約200ユーロ(約3万1,500円)への値上げも予定されています。料金には宿泊費、食事、ネット接続も含まれており、手荷物制限もなしという点は飛行機と比較して大きなメリットです。

ただし、フライトと異なり航海には15〜20日間、時には天候によって最大30日以上かかることもあり、スケジュールに柔軟性のある旅行者向けです。

TOWTの未来:毎週の定期便運航を目指す

現在TOWTは、「アネモス号」「アルテミス号」の2隻を運航しており、フランス、アメリカ、コロンビア、ブラジル、カリブ海のグアドループ島を結ぶエコ航路の定期運航を2025年3月から本格化させます。さらに6隻の新造船も建造中で、2027年には毎週の定期便の提供を予定。

貨物輸送と旅を両立しながら、気候変動対策にも貢献する「持続可能な海上交通インフラ」の構築を進めています。

まとめ:帆船での大西洋横断は、未来の旅のスタンダードになるか

気候変動への意識が高まる中、TOWTのような取り組みは、旅行の選択肢に「エコな船旅」を加える大きなきっかけになりそうです。環境負荷を抑えながら、非日常を体験できるこの帆船旅は、単なる移動手段ではなく、地球に優しい贅沢な時間を提供してくれます。