コラム:世界で最も透明な湖「ロトマイレフェヌア」に迫る汚染の危機
ニュージーランド南島にあるネルソン・レークス国立公園には、「世界で最も透明な湖」として知られるロトマイレフェヌア(別名:ブルーレイク)があります。この湖は透き通った青紫色の水をたたえ、その透明度は純水に匹敵すると言われています。しかし、近年の観光客の増加により、湖の純度が脅かされていることが問題視されています。

ロトマイレフェヌアの驚異的な透明度
ロトマイレフェヌアの透明度は70〜80メートルに達し、これは地球上で記録された淡水の中でも最も澄んだものとされています。この湖は、マオリのンガーティ・アパ族によって「平和な土地の湖」として発見され、古来より神聖な儀式に使用されてきました。
しかし、その美しさが世界的に知られるようになり、観光客が増加するにつれ、新たな環境問題が浮上しています。
湖を脅かす「湖の鼻水」リンダビア
最大の懸念は、微細藻類リンダビアの侵入です。
この藻類は「湖の鼻水」とも呼ばれ、粘着性のある物質を排出します。すでにロトマイレフェヌアの下流にある湖では確認されており、ハイカーの靴や水筒に付着して運ばれる可能性が指摘されています。
[リンダビアの影響]
・湖の水質を悪化させ、透明度を損なう
・船舶や水力発電施設のフィルターを詰まらせる
・釣り糸や漁具に絡まり、漁業に悪影響を及ぼす
ニュージーランドの環境研究者は、リンダビアの主な媒介者は人間であると指摘しており、すでに国内の複数の湖で広がりを見せています。
観光客に求められる対策
ニュージーランド環境保全省は、ロトマイレフェヌアの透明度を守るため、ハイカーや観光客に以下の対策を求めています。
靴や装備を洗浄する(湖の近くに洗浄施設を設置)
水筒や釣り具の持ち込みに注意する
湖に不要なものを持ち込まない
ゴミを持ち帰る
「世界で最も透明な湖」としての価値を維持するために、観光客一人ひとりが環境保全の意識を持つことが求められています。
まとめ
ロトマイレフェヌアは、驚異的な透明度を誇る地球上でも貴重な湖です。
しかし、観光客の増加とともに、外来藻類の侵入や環境破壊のリスクが高まっています。ニュージーランド政府は、バイオセキュリティ対策を強化しながらも、訪問者には「自然の美しさを楽しみつつ、環境保護に配慮してほしい」と呼びかけています。
美しい湖を未来に残すために、私たち一人ひとりができることを実践していきましょう。